Contemporary Art
極小美術館
Nakakaze
Akiyo
中風
明世
2021.6/20(sun)~ 2021.7/25(sun)
espoir 33
観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料中風明世の絵画
中風さんの絵画の多くは、単色の色面と、数本の銀色の線もしくは帯で構成されています。この世に無数の色が存在するにもかかわらず、使用する色数をここまで絞り込む作者の姿勢はストイックであり、それゆえに選ばれた色には特別な思慮や思い入れがあると考えてよいでしょう。色面は絵画の地にあたるとみなされますが、これは見る人の捉え方しだいでは否定されます。遠くから見れば、色面の地に対して銀色の線が図として見えてきますが、近くに寄れば、銀色のスリットよりもほんのわずかに前面にせり出している色面の、混沌として複雑な絵肌こそが図として見えてくる可能性があるからです。そこには絵の具のほとばしったような痕跡や重なり、明度の差異があり、それはまた、作者の感情の噴出や起伏になぞらえることができるのかもしれません。もし作者がこれを多色で描いていたとしたら、と想像してみると、いまの作風が奔放さを許容する一方で、抑制も課していることが理解できます。
直線で刻み込まれる銀色の線は、漠とした広がりをみせる色面と対照をなしています。それは、色面への没入を妨げるものでありながら、画面を律し、双方の差異や特徴を際立たせるものでもあります。複数の線がまっすぐ、並行して伸びるとき、そこには理性の働きを想像することができます。一般的に水平線は画面に安定をもたらします。では垂直線はどうでしょう。中風さんの作品の場合、縦長の画面には縦の線が入ることが多いように見受けられることから、たとえば天と地、上昇と下降を志向させるものとして作用するのかもしれません。これらの線が乱れるとき、画面の中に仮定される空間や時間は複雑になり、理性もまた動揺しているとみることはできないでしょうか。
中風さんの作品には、感情の発露と理性による抑制、相反する要素の併存、せめぎ合いを認めることができます。彼の絵画に普遍性があるとすれば、その拠り所になるのは、人は誰しも感情と理性の狭間で揺れ動き、個人はより大きな運命や摂理のようなものに抗い、翻弄されるという事実ではないでしょうか。
WORKシリーズ (2018年制作)
ミクストメディア・ギャルリhu
WORK 57(2015〜17年制作)
340w × 70h mm × 296pieces
ミクストメディア・極小美術館
WORK 57(2015〜17年制作)
340w × 70h mm × 296pieces
ミクストメディア・極小美術館
WORK+59(2019年作)
w162 ☓ h194cm
WORK+61(2021年作)
w162 ☓ h194cm
中風明世
- 【略歴】
- 1960
- 岐阜市生まれ
- 1982
- 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
- 【個展】
- 1988
- 第1回 │ギャラリーコンセプト・岐阜
- 1989
- 第2回 │ラブコレクションギャラリー・名古屋
- 1994
- 第3回 │ギャラリークロッキー・岐阜
- 2000
- 第4回 │画廊光芳堂、ギャラリーなうふ・岐阜
- 2003
- 第5回、第6回(05年)〜第21回(14年)、第27回(19年) │アートスペース羅針盤・東京京橋
- 2005
- 第7回 │北ビワコホテルグラツィエ・滋賀県長浜
- 2009
- 第11回 │ギャラリーパスワールド・岐阜
- 2009
- 第12回 │イナテックギャラリー・愛知県幡豆郡
- 2011
- 第16回、第24回(18年) │極小美術館
- 2013
- 第18回、第22回(16年) │ギャラリーあさひ・愛知県尾張旭市
- 2014
- 第20回 │ギャラリーいまじん・岐阜
- 2016
- 第23回 │岐阜市歴史博物館分館 │加藤栄三・東一記念美術館
- 2018
- 第26回 │釜山国際アートフェア・ │Akiyo Nakakaze 招待出品
- 2018
- 第27回 │ギャルリhu・名古屋市東区
- 【主なグループ展・受賞歴】
- 1996
- モダンアート展 (〜現在) │東京都美術館
- 1997
- モダンアート展・新人賞受賞
- 1997
- モダンアート明日への展望・俊英作家賞受賞 │横浜市民ギャラリー
- 2001
- モダンアート展・奨励賞受賞 │東京都美術館
- 2002
- モダンアート展・会友佳作賞受賞 │東京都美術館
- 2002
- 文化庁主催・第36回現代美術選抜展 │北海道釧路芸術館
- 2003
- モダンアート展・会友佳作賞受賞、会員推挙 │東京都美術館
- 2010
- ベスパ・プリマベーラと作家たち │極小美術館
- 2012
- 象の檻展 │極小美術館
- 2015
- 第1回 篠田守男 中風明世展 │アートスペース羅針盤・東京京橋
- 2016
- 宇宙の連環として │極小美術館
- 2018
- 第2回 篠田守男 中風明世展 │アートスペース羅針盤・東京京橋
- 2020
- MUSA-BI展 │極小美術館
- 【コレクション】
-
■岐阜女子高等学校
■岐阜市立女子短期大学
■アートスペース羅針盤
■極小美術館
■リゾラ・ディ・エム
■三河湾リゾートリンクス
■アンティークジュエリー・クレセンテ
■操レディースクリニック
■ひぐちクリニック - ※開催時点