Contemporary Art
極小美術館
Ojio
Keiko
小塩
恵子
2020.5/10(sun)~ 2020.6/28(sun)
espoir 29
観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料NEW PAINTINGは生きている
過去の文化をたどるというのは我々昭和一桁生まれにとっては夏の日の日焼けの薄皮をむくようにたのしいものである。昭和の初めの夏休みあけの小学校の教室ではこの薄皮をきそって見せびらかしたものである。
リアルタイムでは我々の体験は3次元の空間に包まれている。長い年月とともに2次元化し私の頭脳のどこかに整理せれているのである。これをたまにめくることは誠に快楽と言わざるをえない。アメリカにおけるポップアート、ビートルズ、ハイパーレアリズム、コンセプチュアルアート、抽象表現主義、NEW PAINTINGとリアルタイムで実体験として直に関わってきた。
特に1960年代初頭のアメリカ、1966年のヨーロッパ。1982年の第7回カッセル・ドクメンタ展等は噴火の終わりかけた火山、新しく噴火の始まった火山を見るようでいいタイミングで接することが出来たのは偶然とはいえ運がよかったと言わざるをえない。ドクメンタ7では写真がアートの仲間入りし(Bernd & Hilla Becher)、Hans Haackeによる広告デザインすらもアートとして出品されていた。この時期からアートは自由になり、最近では政治のプロバガンダに至るまでアートの領域に入ってきている。
1970年代のイタリーで発生したアルト・ポーベラを母体にするコンセプチュアル・アーチストの騎手たちはNEW PAINTINGへと舵をきっていくのである。ドイツでは Georg Baselitz、Markus Lüpertz。イタリアでは Sandro Chia、Francesco Clemente。アメリカでは Julian Schnabel というように。それから半世紀NWE PAINTINGは生きていたのである。
1989年生まれの若い作家の作品を見るとどうしても50年前に戻ってしまうのである。しかしこんなことは恐るるにあらず、彼女の生まれる以前の出来事であるからだ。当時の彼らはもっと幼稚な自作に対するコメントを発している。アルト・ポーベラで石ころを並べていたものがいきなりキャンバスに向かって絵を描くのである。抽象も具象もモチーフもマチエールも無く絵を描いたらどうなるか、それがこの作家、小塩恵子の作品になるのではないか、しかもNEO NEW PAINTINGまたはポストニューペインティングと称されるかもしれない。最初私は具象を描いて抽象で消していく作品と思っていたが、それも今では正しくないように思えてきたのである。どのように変革していくか誠に楽しみである。
F150号 油彩・キャンバス(2014年制作)
S100号 油彩・キャンバス(2013年制作)
S100号 油彩・キャンバス(2013年制作)
F130号 油彩・キャンバス(2013年制作)
S100号 油彩・キャンバス(2016年制作)
S100号 アクリル・キャンバス(2018年制作)
小塩恵子
- 【略歴】
- 1989
- 岐阜市に生まれる
- 2008
- 岐阜県立加納高等学校 美術科 卒業
- 2012
- 金沢美術工芸大学 油画専攻 卒業
- 2014
- 金沢美術工芸大学大学院 絵画専攻 修了
- 現在
- 三重県の公立高校に勤務 三重県で制作活動を行う
- 【主な展覧会・受賞歴】
- 2011
- 金沢美術工芸大学 美術科 油画専攻 進級制作展 【第9回 芝田賞】
- 2012
- 現代美術の新世代展 (極小美術館・岐阜)
- 2013
- 第87回 国展 【絵画部奨励賞】 (国立新美術館・東京)
- 2013
- 第10回 小磯良平大賞展 【準入選】
- 2014
- 第87回 国展 国画会絵画部受賞作家展 (銀座アートホール・東京)
- 2014
- 第88回 国展 (国立新美術館・東京)
- 2014
- アートソムリエ山本冬彦とギャラリーmusée が選ぶ装幀画展 (musée・石川)
- 2018
- 現代美術の視点2019 (極小美術館・岐阜)
- 2018
- アートソムリエ山本冬彦とギャラリーmusée が選ぶ装幀画展 (musée・石川)
- ※開催時点