Contemporary Art
極小美術館
Art Exhibition 2020
MUSA-BI展
2020.3/1(sun)~ 2020.4/5(sun)
Art Exhibition 12
観覧申し込みは090-5853-3766まで。入場は無料- 主催・会場
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◆極小美術館
〒503-2418 岐阜県揖斐郡池田町草深大谷939-10
TEL・090-5853-3766
※電話にて観覧受付、入場無料 - 企画・監修
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◆ディレクター 中風 明世
◆サブディレクター 矢橋 頌太郎
芸術と熱源
2014年4月、ロサンゼルス現代美術館へ行った。米国への入国審査の折、ガタイの大きな黒人、しかも、上腕にタトゥーの入っている強面が相対した。
個人旅行なので色々質問を受けたが、よく分からず、職業はアーティストと答えた。
すると、態度が一変。スタンプを押し、ウエルカムと笑顔で言ってくれた。
一週間後、成田経由で名古屋へ向かう途中、成田空港の係から一言二言。LAで美術館巡りをしてきたと話し、私は彫刻家だと言ったら態度が一変。荷物を徹底的に調べられた。
先進国で芸術がこれほど軽んじられている国は珍しい。国内で国際美術展を四つも開催している国はほかにないけれど、村おこしや町おこしのツールとして扱われ、本来の理念から遠くかけ離れてしまっている。
30年前には美術系大学への希望者が殺到し、倍率が20倍を超えることもあった。
ところが、昨今、新聞社の美術欄は縮小されるか、消えてしまい、美術担当編集委員も探さなければならないほどになった。
美術専門月刊誌は隔月になり、メディアに取り上げられることすらままならない現況である。
様々な要因が考えられるが、美大芸大に進学する希望者の大衆化が大きな理由の一つである。現に、基礎デッサン力のないまま入学を果たし、何も考えずそのまま作家になれるはずがない。
今回の展覧会は、岐阜ゆかりの武蔵野美術大学の中から、中風明世、矢橋頌太郎がディレクターとして12名を選んだ。
キャリアのある芸術院会員、神戸峰男、土屋礼一をはじめ、前武蔵野美術大学学長・甲田洋二、30歳の若手作家が集う。
かつて、東のムサビ、西の京都芸大と言われた時があった。ムサビには山口長男、保田春彦、井上武吉がおり、京都芸大には堀内正和、辻晉堂、八木一夫らが教鞭を執り、作家としての矜持を示していた。
そんな良き時代に思いを馳せながら、閉塞状態にある現代を解放し、より豊かな精神性を感じることが出来る唯一の媒体は「芸術」であると信じている。
6.柴山 豊尚
(©AAIC2017)
MUSA-BI展
《 作家一覧 50音順 》
- 小野 允子
- 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒
信楽、神山清子氏に師事。朝日陶芸展他コンクールで発表。1998年、日本現代陶芸展マケット土岐市長賞。デンマーク、コペンハーゲンにてワークショップ、ノビュー・コペンハーゲン、極小美術館で個展開催。 - 小野田 志津代
- 武蔵野美術大学造形学部大学院彫刻科卒
アメリカ(マイアミ、ニューヨーク)、ベトナム(ハノイ)など、海外でアートフェア、グループ展に出品。2019年、韓国・釜山アートフェア出品。2012年、銀座アートホールで個展。現自由美術協会会員。 - 神戸 峰男
- 武蔵野美術大学造形学部卒
彫刻家清水多嘉示、木下繁に師事。日展特選、「長風」で日展文部科学大臣賞、「朝」で日本芸術院賞。日本芸術院会員。日展副理事長。日本彫刻会理事長。名古屋芸術大学名誉教授。公募展「ぎふ美術展」企画委員長。
- 北村 武志
- 武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒
熊谷守一大賞展出品。TYK優秀絵画展大賞受賞。Galerie Hexagone(ドイツ・アーヘン)、半原版画館(瑞浪)等、国内外で個展開催。 - 甲田 洋二
- 武蔵野美術学校本科西洋画卒
1984年武蔵野美術大学教授、のちに学長、現在武蔵野美術大学名誉教授。1964年より、個展を青梅市立美術館他公立美術館、信濃デッサン館、極小美術館等で38回以上開催。安井賞展、シェル賞展出品。 - 柴山 豊尚
- 武蔵野美術大学大学院造形研究科修了
第12回日本国際美術展・群馬県美術鑑賞、2017年、Art Award IN THE CUBE・大樋長左衛門賞、村松画廊、ときわ画廊等、東京他各地で個展多数。
- 土屋 礼一
- 武蔵野美術大学実技専修科目日本画卒
加藤東一氏に師事。瑞龍寺本堂障壁画を手がけ、「軍鶏」で日本芸術院賞。令和元年11月の大嘗祭で、主基地方の屏風制作。日本芸術院会員。日展副理事長・事務局長。金沢美術工芸大学名誉教授。武蔵野美術大学客員教授。 - 中風 明世
- 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒
第36回現代美術選抜展(文化庁主催)出品。羅針盤(東京)で篠田守男・中風明世展。釜山アートフェア招待作家。極小美術館(岐阜)で個展2回。2019年、羅針盤で第27回個展開催。 - 花田 勝太郎
- 武蔵野美術大学造形学部油絵科卒
1972年国展初出品現在まで。第9回・第14回現代日本美術選抜展(文化庁)、日本国際美術展、現代日本美術展、天理ビエンナーレ大賞受賞、エンバ美術賞展、他コンクール展多数出品、東京他各地で個展。
- 尾藤 敏彦
- 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒
ヨシダヨシエ企画の個展「無幻泡影」−海鳴りにエロスにおいたち−で作家デビュー後、絵画ともに金属作品で安井賞展、人人展に出品。日本画廊(東京)、ギャラリー元町(横浜)他、各地で個展。 - 松井 正仁
- 武蔵野美術大学造形学部美術学科彫刻専攻卒
大学卒業後、舞台美術制作会社に勤めながら、個展をギャラリー山口(東京)で5回、ウエストベスギャラリーコヅカ(名古屋)で9回開催。 - 矢橋 頌太郎
- 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒
現代美術の新世代展2012で優秀賞。リアリズムの深層展。2014年極小美術館(岐阜)で初個展。同年、ギャラリーうちやま(銀座/東京)で個展。富山トリエンナーレで優秀賞。2018年名古屋画廊で個展。
1.小野 允子
2.小野田 志津代
3.神戸 峰男
5.甲田 洋二
4.北村 武志
6.柴山 豊尚
7.土屋 礼一
9.花田 勝太郎
8.中風 明世
10.尾藤 敏彦
11.松井 正仁
12.矢橋 頌太郎
《趣 旨》
MUSA-BI展について
美術の素晴らしさを若い世代に知っていただくために、岐阜県にゆかりのある活躍する美術家有志12名による優れたMUSA-BI展を開催します。
「MUSA」とは、西洋において美の神という意、「BI」は、漢字の美を意味します。
5.甲田 洋二
2020年3月20日付朝日新聞